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私はあの後、まきに保健室へ連れてかれた。
保健の先生は、「至急病院に行くべきよ!」と言っていたが、私は「大丈夫です。」と一言言い、ガーゼと包帯をもらい、まきに巻いてもらった。
「それ以上傷口が開いたらいけないから、今日は帰りなさい。」
「はい…。」
帰宅途中、公園の公衆トイレの個室で、包帯を外してみた。
傷はまだ、塞がりかけだったけど、血は既に止まってた。
「…何で…。朝は痛かったのに…。カットした時と、刺さった時は痛くなかったのに…。」
手首の包帯を外してみたら、やっぱり傷は消えてた。
“…もう一度、あの雑貨店に行って、聞いてみよー…”
ふと鏡を見ると、刺された傷はもう無くなっていた。
跡形もなく…消えていた。
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