序章―とある魔女の話―

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世界の片隅で、その街は存在していました。 人間は科学を究め、魔法使いは魔術を高めている町が。 その街の魔法雑貨店の娘、ロゼも、愛する家族や人間の恋人と共に、幸せな日々を送っていました。 しかし、魔法使いと人間との間に戦争が勃発しました。 ロゼは恋人から引き離され、男の家族は皆、戦争に駆り出されてしまいました。 街は、炎に包み込まれ、血と炎の明かりにより、街は一日中、赤に染まっていきました。 そんな中、ロゼは毎日毎日、家族と恋人の帰りを待ちました。 一日待ちました。 一週間待ちました。 一か月待ちました。 やっと、兄が帰って来ました。 死体となって…。 次の日、父が帰って来ました。 死体となって…。 戦争が終わったのは、それから5年後の事でした。
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