1.異変

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・ ・ ・ 「なぁ、暗くて、じめじめしてて、固くて狭い所って……。アツはどんな所だと思う?」 その日の晩、昴は篤志の部屋へ行っていつものように格闘ゲームをしていた。 「はぁ~?何だよ、いきなり」 「なんかそんな夢を見た……」 昴は、そう言いながら、カチャカチャッと超必殺技を巧みに捻り出す。 「あ゛っ!!?」 自分のキャラがサクッと投げ飛ばされて行くのを見て、アツが変な声を上げた。 「~~~!おいスバ!!今の技は喋りながら出来るような技じゃねぇよな!?」 「知らないよ。出来ちゃったんだから」 「ぐわ~っ!にくったらしいぃ~!!」 「ハイハイ」 コントローラーをベッドに投げ捨てながら、篤志が言った。 「暗くてじめじめしてて狭いって言や、トイレとかじゃね?」 「トイレ……や、そんなに広くなかったよーな……」 悩む昴を見ながら、篤志が言った。 「なに、そんなに気になる夢だった訳?」 「や、別に。只、妙な現実感が……」 「ふーん……?……よしっ!もう一勝負するか!!」 篤志はそういうと、コントローラーを構え直し、昴に言った。 「早く寝ないと、また遅刻するよ?」 「だぁいじょーぶ!篤志様にゃあ遅刻なぞ怖くなんかねーのよ♪」 夜は、更ける。
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