2.覚醒

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「にゃー」 最近良く聞く声に反応して振り向くと、何故だろう、そこにはクロがいた。 クロは、昴の“何か”を確認するかのようにじっと見ている。 「……クロ?お前、なんでこんな所にいんの?」 怪訝に思いながらも、昴はクロに近づく。 その刹那、頭の中に何かが響いた。 『時は来た』 それは、不思議な“音”だった。 そう、まるで、イヤホンから聴こえて来そうな“音”だ。 そして勿論、昴はイヤホンなどしていない。 「……え?」 何処から聞こえたのか確認する為、キョロキョロと辺りを見回してみたが、回りには遅刻を免れようと必死な生徒しか見られない。 もう一度視線をクロに戻した。 「あれ?クロ?」 だが、そこにはクロはいなかった。 キーンコーンカーンコーン… 「ぅぁ!やばっ!!」 昴は、HRが始まる事を合図する鐘の音に疑問を隅においやり、焦りながら校門へと走った。
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