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「昴おっはよー!!」
「やほー、すーくん♪」
食堂に向かう廊下を歩いていると、突然左右から言葉がかかって来る。
「おはよ、未来、那由多」
昴は、二人の顔を見ながら笑顔で答えた。
「てゆーか、珍しいねー、すーくんがもう起きてるなんてー」
未来が昴を見上げる。
「なんだぁ?怖い夢でも見たのかぁ?」
那由多が昴を見、ニヤケながら言った。
「違うよ、クロに起こされたんだ」
未来[みらい]と那由多[なゆた]は、昴より年下の双子だ。
だが、未来は昴より背が低く、那由多は昴と殆ど背丈が変わらない。
(と言っても、那由多(と未来)は15歳だから、これからが成長期だ。)
「クロも毎朝時間ギリギリに家を出る昴が情けなかったんじゃね?頭はボサボサ、制服はぐちゃぐちゃで、ネクタイなんて絞めないで学校行くし♪」
「そーよー、那由多の言う通りよ!すーくん、ちゃんとしたら凄くかっこいいんだから」
もったいない、と未来は昴の髪を触る。
「ちっがうよ!……多分!それに、僕はちゃんと学校に着いたら綺麗にしているしね」
昴は、「学校に着くまえにしなきゃ意味無いじゃん!」とぶつくさ言っている未来の手を頭から離しながら、食堂へ入る。
「そーいやそーだよな。昴ってサッギ師ー♪」
「うるさいなぁ……」
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