1.異変

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「昴おっはよー!!」 「やほー、すーくん♪」 食堂に向かう廊下を歩いていると、突然左右から言葉がかかって来る。 「おはよ、未来、那由多」 昴は、二人の顔を見ながら笑顔で答えた。 「てゆーか、珍しいねー、すーくんがもう起きてるなんてー」 未来が昴を見上げる。 「なんだぁ?怖い夢でも見たのかぁ?」 那由多が昴を見、ニヤケながら言った。 「違うよ、クロに起こされたんだ」 未来[みらい]と那由多[なゆた]は、昴より年下の双子だ。 だが、未来は昴より背が低く、那由多は昴と殆ど背丈が変わらない。 (と言っても、那由多(と未来)は15歳だから、これからが成長期だ。) 「クロも毎朝時間ギリギリに家を出る昴が情けなかったんじゃね?頭はボサボサ、制服はぐちゃぐちゃで、ネクタイなんて絞めないで学校行くし♪」 「そーよー、那由多の言う通りよ!すーくん、ちゃんとしたら凄くかっこいいんだから」 もったいない、と未来は昴の髪を触る。 「ちっがうよ!……多分!それに、僕はちゃんと学校に着いたら綺麗にしているしね」 昴は、「学校に着くまえにしなきゃ意味無いじゃん!」とぶつくさ言っている未来の手を頭から離しながら、食堂へ入る。 「そーいやそーだよな。昴ってサッギ師ー♪」 「うるさいなぁ……」
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