1.異変

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「………夢…?」 そういえば、今日、とても変な夢を見た。 暗く、湿った……。 狭く、硬い所で。 深い哀しみに包まれていた。 悔しかった。 とても、とても……。 憎かった。 ………殺してやる………!! ……にゃー…… 「って、スバ!?おい!?」 焦った篤志の声に昴がはたと気付いた時には、その場の全員が昴を見ていた。 「スバ、大丈夫か!?貧血?」 背中に堅いものが当たっている。 どうやら倒れているようだ。 「え、何。僕、今倒れてた?」 「ああ、現在進行形でな。……じっとしてろよ」 「え?うわっ!?」 篤志は昴を荷物のように抱えて、教室を飛び出した。 そう、それはまるで幼児を誘拐する怪しい男のように。 クラスは、そんな二人を、ぽかんと見送った。
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