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「………夢…?」
そういえば、今日、とても変な夢を見た。
暗く、湿った……。
狭く、硬い所で。
深い哀しみに包まれていた。
悔しかった。
とても、とても……。
憎かった。
………殺してやる………!!
……にゃー……
「って、スバ!?おい!?」
焦った篤志の声に昴がはたと気付いた時には、その場の全員が昴を見ていた。
「スバ、大丈夫か!?貧血?」
背中に堅いものが当たっている。
どうやら倒れているようだ。
「え、何。僕、今倒れてた?」
「ああ、現在進行形でな。……じっとしてろよ」
「え?うわっ!?」
篤志は昴を荷物のように抱えて、教室を飛び出した。
そう、それはまるで幼児を誘拐する怪しい男のように。
クラスは、そんな二人を、ぽかんと見送った。
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