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健太は彼女の顔をチラッと見ると、可愛いらしい顔だったのですぐに目をそらして俯いてしまった。
「私は美紀。あなたは?」
「俺は健太……って怪我は無い?」
「大丈夫。それより健太君! 一緒に行動しましょ!」
いきなりの美紀の言葉に健太は考えた。彼女と一緒に行動するか…それとも一人で行くのか。
「健太君?」
健太は考えているため美紀の声が聞こえなかった。無視された美紀は頬を膨らませた。健太の後ろで男が立ち上がったのを見た美紀は健太の腕を掴みながらよろよろと立ち上がり、健太の腕にしがみついている。
「何?」
突然の行動に健太は驚いた。
「ちょっと足がすくんでるみたい。少しの間手伝って」
健太は美紀に肩を貸した。思春期の男女が密着して歩くことに抵抗があるかもしれないが、状況が状況なだけに考えている余裕が無いようだ。2人は公園から離れた。
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