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乾いた銃声が静寂に満ちた街に響いた。今、一人の男がガソリンスタンドの屋根の上からスナイパーライフルでゾンビを狙撃している。
(スナイパーライフルが撃てる…か…普通じゃあり得ねぇな…)
一瞬何かが視界に入ったので辺りを見回す。ゾンビとゾンビから逃げる1人の男が視界に入った。男とゾンビの距離は縮まっていく。しばらくしたら男は追いつかれ死ぬだろう。スコープの倍率を下げ、焦点を合わせてから呼吸を整える。一発の銃声と引き換えに男を追う者は絶命した。少し考えた後に屋根から縄梯子を垂らしてゆっくりと下りた。助けた男は屋根から下りてきた男を見てびっくりしたようだ。
「大丈夫か?」
男はまだ状況が理解出来ていない。しばらくしてスナイパーライフルを見て状況を理解したようである。
「ありがとうです……俺は正明っす…あなたは…?」
狙撃男はめんどくさそうに正明の質問に答えた。
「大輝だ…」
大輝は特に何も言うことが無いので歩いていこうとした。正明は大輝の服の裾を掴んだ。
「待ってください! 1人は心細いっす! ついていってもいいすか!?」
大輝は少し考えた後に足を止める。
「足引っ張るなよ」
「了解っす」
正明はニコリと笑った。
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