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「これだけあれば7日は大丈夫ね」
美紀は食料を見ながらぼやいた。健太と勇樹は黙々と食料を大きなバックパックに詰め込んでいる。食料と言ってもパンやおにぎりといった簡単な物だ。バックパックはス奥に婦人服や紳士服、文房具のほかスポーツウェアが売っていたので、売り場から持ってきたものだ。
「なんか俺達うまく使われてるな…」
勇樹がボソッと呟くと健太は苦笑した。
「何か言ったかしら?」
美紀が色々な物資を入れたカートを押してきた。再び食料をリュックに入れる仕事を続けた。その間に美紀は地図を触ってため息をつく。
「ゲームねー 全く意味が分からないわ…ゾンビみたいな化け物出てくるし」
「美紀さん案外冷静なんだね」
「バケモノよりも別のことが気になってるからね。私より、2人の方が冷静でいられるのがすごいよ。普通に人撃ってたし」
健太は敵を撃つ時の感覚を思い出し、身震いした。
「警察に捕まっちまうな…そうだ!警察に電話してみようぜ!」
「無駄だった。家族や友人に電話しても出ない。でも親友だけ電源が切れてるって言われてた」
勇樹と美紀はため息をついた。もしかしたら夢ではないか…もしかしたらいたずらじゃないか…と思っていたからだろう。
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