開始

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 公園には制服を着た髪の長い女の子と紺色のスーツを着た男がいた。公園はブランコや滑り台、鉄棒があるが、人がいない公園は不気味だ。それよりも悲鳴の元を見る。女の子は男により公園の四隅に追い詰められていたのだ。女の子は足が震えて座り込んでしまっている。 「おい!」  まずは男に声をかけてみた。男は振り返りこちらを見た。男は、目が赤く今にも血が流れそうで服はボロボロで腹部から血が出ている。驚いたあまり思わず後ずさりしてしまった。男が健太に向かってヨタヨタと歩いてきたので、反射的に銃を構えた。 「動くな!撃つぞ!」  当たり前だが手は震えている。健太の頭の中で「普通の人が銃を撃ったら肩外れるだろ?」とか、「人殺しになりたいか?」いう言葉が廻っていた。健太は脅しのつもりで構えてるんだと自分に言い聞かせたが、手は震えている。やはり映画やゲームのように上手くいかないようである。 「早く撃ってよ!」  女の子の大声に反応して反射的に引き金を引こうとした時、全身に震えが走り、心臓の鼓動が高まった。無意識だろうか…手が勝手に動き、男の頭に照準が合い、引き金を引く。乾いた音と共に手から腕に大きい衝撃が走った。男はゆっくりと倒れた。うつ伏せに倒れた男の生死を確認すると、頭から血を流しピクリとも動かなかった。安全を確認した後、座って動けなくなっている女の子の様子をうかがう。女の子は茶髪でストレートヘアー、肩が隠れるくらい髪が長い。チェック柄のスカートに薄いピンク色のブラウスを着ている。身長は160cmくらいだろう。 「あなたもこのゲームの参加者?」
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