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その男はシルファ達に見向きもせず、
ゆっくりと白くしなやかな指を伸ばし、右手をかざした。
バシュッ!
その瞬間、大気が微かに震え、飛び掛かって来た狼達は空気の壁に弾かれた。
(まさか、無詠唱魔法……この世界に下位魔法でも使える人間が居るなんて……。)
驚いているシオンを更に驚かせる行動を男はとる。
グルルッ……ウォーーーン。
狼の群れは一斉に男に向かい咆哮魔法を放つと、
無数の閃光が男に向かい飛来する。
男は左手を軽く振ると目の前に光の壁が現れた。
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