火竜の喉

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シオンはとっさにシルファを抱えて入口に走り始めた。 部屋の中央で全方位から攻撃をくらうより、 入口まで後退すれば前方からの攻撃だけに集中出来ると考えたからだ。 シオンは魔法が使えない分危機察知能力が優れ、柔軟性、順応性に特化していた。 何とか入口まで戻ったが状況は依然ギリギリであった。 シオンはシルファをかばいながら刀で火喰虫をたたき落としているが、 たいした効果は無く次々と身体にぶつかってくる。 シオンは次の手を考えるべく、 シルファに叫んだ。 「シルファ、さっき詠唱しといた呪文は?」
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