火竜の喉

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「あれだけならさっき程数は居ないし、 鈍いから心配する事ないんだけど……。」 シオンの予感は的中する。 祭壇に置かれた棺が静かに開いていく。 「どうやらあれが本命みたいだな。」 シオンは刀を構え直す。 棺の中からゆっくりと手が伸びてくる。 その手は人間のそれとは違い、 爪は長く鱗に覆われていた。 シルファはその姿に思わず声をあげた。 「きゃーっ、しー君、あれっ、あれっ。」 全身に鱗を纏い、頭は爬虫類、だが体躯は人間の様で長く太い尾を有しおぞましい外見。 シオンはボソリと呟いた。 「フレイムリザード…」
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