何気ない日常

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啓太達と別れて、俺は光と二人きりになった。そして、そのまま夕食の材料を買うために、商店街へ向かった。 「へぇー、今日はカレーなんだ。」 「ああ、別に何でも良かったんだが、となるとやっぱりカレーに行き着いてしまうんだよな。」 「将哉、昔からカレーが好きだもんね。」 「まあな。」 「でも、作るの大変だしなぁ…」 「もう慣れたよ、何回も作ればコツみたいなところで手早く済ませられるし。」 「さすが、経験者は語るって言うもんだね。」 「仕方ないだろ、うちはああいう状況なんだから、誰かが料理しないといけないんだよ。」 「そうだった…ごめんね、こんなこと言って。」 「気にしてないさ。」 うちの家庭は結構複雑だったりする。まず、今家には両親はいない。別に死んだわけではなく、互いに仕事で遠くにいるためにいないだけだ。だが実際、ほとんど麻衣と二人暮らしのようなものなのは事実だ。 だから、家事は二人で分担している。食事もそうだが、それに関しては俺のほうが回数が多い。別に、麻衣は料理ができないわけではなく、麻衣は俺よりも帰るのが遅いからだ。というわけで、俺のほうが作る回数は多くなる。 「さてと、買い物も済んだし帰るか。」 「そうだね。」
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