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「…そろそろかな?」
部屋の時計を見て、麻衣がおよそ帰ってくる時間の15分ほど前に、自分の部屋から居間に戻った。課題の方はほとんど終わらせ、残りは後でする。
「…ただいまー。」
俺が居間に戻ってしばらくしてから麻衣が帰ってきた。
麻衣は学校で吹奏楽部に入っており、その中のフルート奏者だ。その為に、家への帰りが遅いこともしばしばある。
「兄さん、ご飯お願いー」
「はいはい、ちょっと待てよ。」
俺は、すでに済ませている料理を皿に盛り、テーブルへと並べた。
「麻衣、カレーの上にカツ欲しいか?」
「ううん、いらない。兄さんが食べていいよ。」
麻衣に確認をとり、俺は自分のカレーの上にだけ、カツを乗せた。カレーとサラダをテーブルの上に運んで、俺達はテーブルのイスに、向かい合って座った。
「んじゃ、いただきます。」
「いただきます。」
お互いにまずカレーから手を付け、口に運ぶ。
「…うん、美味しい。兄さん、腕上げたねー。」
「まあ、上達しないとな。せっかく料理作ってるんだし。」
「ふふ、そうだね。私も負けないようにしなくちゃね。」
「期待してるよ、麻衣。」
そんな話をして、テレビを見ながら夕食を食べていた。
「そういえばさ、兄さん。」
「ん?」
「明日の土曜日、暇?」
「んー、予定はないけど。」
「じゃあさ、いつもの練習、お願いして良い?」
「ああ、構わないよ。」
「ふう、良かった。」
そう言い、麻衣は夕食を済ませて食器を片付ける。
「ごちそうさま、兄さん。」
そして麻衣は、自分の部屋に行った。
そして俺はというと、計2回おかわりをしていた。
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