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…と、いう訳で、抵抗したにも関わらず、三惠に無理矢理クレープ屋に連行されてきた。
「けーんじ!いつものちょ~だい!!」
三惠はすっかり常連で、`いつもの'で、ダブルベリーチーズケーキ(クレープの名前だ)が、でてくるまでになっていた。
「OK、三惠。希良ちゃんはなににする?」
希良はさんざんなやんだあげく、
「ん~じゃあ、健次さんのおすすめで!」
と、悩むのを放棄した。
「んで、リエはどーすんの?」
「いらん。」
正直に答えてやる。私には、クレープの何がそこまで魅力的なのか、理解できない。
…不味くはないが、旨くもない。
継いで言うと、甘いのは苦手だから、必然的に、食えるものはきまってくる。
「サラダにすればいいじゃん。」
「だからいらんて。」
横から私と三惠のやり取りをぼおっと見ていた希良が助け船を出してくれた。
「もういいじゃん、リエさん嫌がってるし。ミエぽんだって嫌いなもの薦められたらいやじゃん?」
三惠はむう、と膨れて諦めたように、椅子に座り込んだ。
私は小声で、希良に礼をいった。
「ありがとな…」
「いえいえ♪」
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