エイプリルフール

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ニューヨークに、ある夫婦が住んでいた。   4月も入ったばかりの肌寒い朝、身重の妻の体調が急変し、夫は妻を車に乗せて産婦人科へ急いだ。   医師が言うには、母子共に危険な状態であるから、すぐに手術に踏み切るしか無いと言う。   手術が始まって数時間が経った。 その間、夫は手術室の前から離れようとはしなかった。   ふいに、 『手術中』 のランプが消え、扉から医師が現れた。   夫が聞きたいことは一つだった。 「手術は…上手くいきましたか!?」   医師は、にっこりと笑って応えた。 「大成功です。奥さんも、息子さんも元気ですよ!ごらんになりますか?」 喜びに足をもつれさせながらも、夫は部屋に駆け込んだ。     そこには、血まみれの息絶えた子供と、同じく冷たくなった妻の姿があった。   夫の背後から、医師が言った。   「エイプリルフール!!」
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