4人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ごめんっ。俺用事思い出したから帰る!」
そう言うと、俺達が反応する前に走って教室から出ていってしまった。
ピシャーン!
ドアの音で我に返り、俺も立ち上がった。
「お、おい…」
「ごめん!俺も用事思い出した。悪いけど抜ける!じゃあな!」
そう言って、俺も教室から飛び出した。
急いで走って下駄箱のとこについたとき、そこに夏はいた。
だけど、俺が来たのを知ると、また走り出した。
だから俺は、上履きを靴に変えずに夏を追った。
「夏!」
校門の前まで来たとき、やっと俺は夏の腕を掴むことに成功した。
「やだっ…はなせ…」
顔を真っ赤にさせながら拒絶の言葉を吐く。
「待って…夏っ…どうしたの?」
「どうしたって…あんなこと…」
俺がそう言った瞬間、キッと睨んできた。
「あんなこと?…あっ、ごめん!振りだけにすればよかったね。」
『あいつらに、あんな夏の色っぽい声聞かせなきゃよかった!』なんて思いつつ言うと、夏にまた睨まれた。
「べ、別に…。キスなんてたいしたことないよ…」
「えっ…そう?夏が嫌じゃなかったならいいや。」
俺はホッとして、そう言った。
「いやなわけないじゃないか!!…あっ…」
最初のコメントを投稿しよう!