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―…え?
思考が追い付かない。どういうことだ?
「…夏?」
俺がとりあえず声をかけてみると、夏は耳まで赤くしながら顔を俯かせてしまう。
「…あ、こ…これは違くて、えっと…だから…」
―なんかかわいい…。でも…なんだ?なんかひっかかる…。―
俺がそんなことを考えていると、夏がガバッと顔を上げた。
「なつ…「ごめん!なんでもないっ」
そして俺がちゃんと話しかけるよりも先に、謝ってきてそのまま、走っていく。
もうわけ分からない…、けど…
「夏、待って!!!」
俺が呼んでも夏の足は止まらない。
「っ…」
夏が止まらないのを見たからか、いつのまにか俺は夏を追いかけていた。
「待って!夏っ…」
聞こえているのかいないのか分からないけど、は止まってくれない。
「なつ!…なつ!」
全速力で走ってやっと夏の腕を捕まえる。
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