RULE X ∃」UЯ

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「本題に戻るけれども、ポーンは8の目に辿り着ければクリア。  その間にワタクシの駒に取られてしまえば負け。  それだけ分かっていれば、ゲームは出来るわ。何か質問は?」 女王は席を立ち、アリスに尋ねた。 「陛下のおっしゃる条件は…無理ではないですか?」 「何故?」 「だって、ポーンは一番弱い駒です。よっぽど白が有利でないと…」 しかし盤を見る限り、黒が圧勝している。 ポーンは一歩づつしか進めない。なおかつ黒が有利。 そんな中、もっとも遠い8の目まで行けるのだろうか? それにアリスは、チェスには自信が無い。 アリスの不安を他所に、黒の女王は相変わらずの微笑を浮かべた。 「アナタの運が良ければ、素敵な騎士が護ってくれるでしょうね」 そう、素敵な…ね。 女王は最後にそう呟くと、どこからか小さな箱を取り出してアリスへと手渡した。 「ビスケットよ。喉が渇いた時にでもどうぞ」 アリスがそれを受けると、女王は大きなチェス盤の方へと歩き出した。 「盤までご一緒しましょう。少しだけヒントを差し上げるわ」 「あ、ありがとうございます」 アリスは先を行く女王を今度こそ見失わないように、ダイナをしっかりと抱き、隣を歩いた。
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