Х1Х  僕と空

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自分から誘いをうけといてなんだけど、彼女と学食でランチを食べている間、緊張していたのか、何も美味しいとかまずいとかの感想をもつ事ができなかった。 ただ、時折学食に入ってくる風が彼女の茶色い髪の毛をふわりとさせる度に僕は彼女の白いうなじや、細い首にみいっていた。 話してわかったことだが、彼女は普段の恰好から想像もつかないぐらいに、知的である事。 そして驚くべき事に誰ともつきあった事がないことだった。 そして、なぜか彼女は僕の話しを興味深く、そして辛抱強くきいてくれた。 僕は彼女より2つも年上だったし、少しばかり知識が多かっただけだが、彼女にいわせると、 「とても変な話しをよくしっていて、面白い」 のだそうだ。 とにかく、それでこの時の昼食はおわった。ノートのお礼はしてもらったのだし、もう、彼女と話す機会はないのかもしれない。 そう思うとなぜかすごく寂しくて、気が付いたら次にあう約束をとりつけていた。
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