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部活に行くと剛がすでに練習を始めていた。
必死でボールを打っている。
一つもくぐってない。やはり馬鹿は馬鹿だ。
『なぁ…』
剛が急に話しかけてきた。
『俺は期末テストでお前に勝った。だけどまだゲートボールでは勝てちゃいない』
何を隠そう俺は主将だ。
つまり全国一なんだ。
心の中では
てめぇじゃ勝てない。能無しが。
と言いたかったが
「それで?まさか…俺に勝つ?」
『当たり前だ!』
なんだこの衝撃は。
いつものあいつじゃない。
今のあいつはマジだ。
若干引いた。
が、少しばかり俺の闘争心が駆られた。
「そうか…でもな俺は負けねぇ。もちろん勉強もな」
そう言いながら俺はボールを打った。ゲートを連続でくぐり抜けた。
『そうこなくっちゃ!キャプテン!!』
剛のボールも連続でくぐり抜けた。
キモかった。
その日俺たちは日が暮れるまで打ち合った。
くさかった。
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