夏休み

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部活に行くと剛がすでに練習を始めていた。 必死でボールを打っている。 一つもくぐってない。やはり馬鹿は馬鹿だ。     『なぁ…』 剛が急に話しかけてきた。 『俺は期末テストでお前に勝った。だけどまだゲートボールでは勝てちゃいない』     何を隠そう俺は主将だ。 つまり全国一なんだ。 心の中では てめぇじゃ勝てない。能無しが。 と言いたかったが     「それで?まさか…俺に勝つ?」   『当たり前だ!』     なんだこの衝撃は。 いつものあいつじゃない。 今のあいつはマジだ。 若干引いた。 が、少しばかり俺の闘争心が駆られた。     「そうか…でもな俺は負けねぇ。もちろん勉強もな」 そう言いながら俺はボールを打った。ゲートを連続でくぐり抜けた。 『そうこなくっちゃ!キャプテン!!』 剛のボールも連続でくぐり抜けた。 キモかった。     その日俺たちは日が暮れるまで打ち合った。 くさかった。
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