序章 世界

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その兄の妙な甘やかしぷりに、不信感を抱くことはあっても、問い正すことはなかった。 「行くぞ、飾」 鏡が車の鍵についているキーホルダーに指をかけてくるくる回す。 鍵とキーホルダーがぶつかりあって、ちゃりんと音をたてた。 僕は中途半端に履いていた靴を履き直して、自宅であるマンションを出た。
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