序章 世界
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「ぅ、―――ぁ」 ―――夢の内容に侵されている。 ここは自分の部屋で、見知った天井なのに、手は宙をさ迷っていた。 完全に意識が正常になる。 空に向かって伸ばされた腕が、ベッドにぼすんと落ちた。 落ちた手や指を見ても、それはいつもの、暗闇でもわかるほどに不健康そうな白だった。 どんな夢を見たのだったか。 もう一度瞳を閉じた頃にはわからなくなっていた。
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