序章 世界

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家に着くなり、ゆっくりする間も無く鏡は家を出た。 ひとりぽつんと取り残される。 ひとりには慣れていたが、どうも胸の奥がもやもやと霧がかり、すっきりしなかった。 ああ、…隻の誘いに乗ってよかった。ひとりになる時間がすくなくて済む。はやく、はやく来てほしいのに、時計は意地が悪い。 まだ六時半も回っていなかった。
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