序章 世界

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洗面所で一番先に目につくものといったら、鏡だった。 鏡に写る姿は、千原 飾(ちはら かざり)、自分そのものだった。 狭い肩幅、細い腰、筋肉なんて無い腕や足は、男として恥ずかしかった。 鍛えても筋力が目に見えてつかないのだ。筋力がついているのに、腹筋がわれたりすることはない。 醜い鏡から目を反らし、歯を磨いて顔を洗う。 そのあとで今着ている衣服を、洗濯機につっこんだ。
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