序章 世界

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そして鏡は、大学が終わってから速攻で迎えにくる。僕はそれまで学校にいるよう言われている。 それ自体は苦にならない。図書室でぼんやりと本を読むのが好きだし、友達と放課後にのんびり話していることもできる。 だけどそれは甘やかされ過ぎじゃないか?と、みんながみんな、中学のときから言うもんだから、僕は放課後に残っている理由として、体が病弱だから毎日病院にいかなくてはいけない事と、兄がいなくては遠くてとても通えない位置に病院があることにしている。 誰も信じちゃいないが、それ以上追求されることはない。
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