もうひとつのバイト

3/9
前へ
/235ページ
次へ
 良樹の声に気付いて、店内からは見えない黒い暖簾のかかったカウンターの奥から人がでてきた。 「おはよ~~vv」  かなり伸太い声の持ち主、このバーのオーナー権店長のオカマさん『さくら』さんがハートをとばしながら挨拶してくれる。  さくらさんは亡くなった母親の親友で、昔から知っている。  広い肩幅をあらわにした綺麗なワイン色のファッションドレスで、髪の毛をアップにしていた。 さ「良ちゃん、早く着替えてちょーだい。」  さくらは良樹のバーテンの格好が可愛らしくて好きらしい。  良樹が着替えて準備が整ったところで、 さ「さっ店開けるわね。」  外側の扉のクローズの札をオープンに交換した。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1176人が本棚に入れています
本棚に追加