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暑い日がつづき、9月の始めといえど セミはミーンミーンと耳障りなほどに鳴いている。
キンキンに冷えたコンビニの中で赤本 良樹(あかもと よしき)は先程外のでかいポリバケツにゴミを捨て、じんわり額にかいた汗を右手でぬぐった。
20才の良樹がコンビニでバイトを始めてから3度目の夏が過ぎていた。
フリーターの良樹はいつもと同じ午後にげんなりしつつも、あと少しでくる交替のバイトの学生を待っている。
ピンポーン
その時、コンビニのドアを開ける音がした。
(お客さんだ。)
「いらっしゃいませ。」
良樹はいつものように軽く客に声をかけた。
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