プロローグ

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私・タツコが彼・サトシと知り合ったのは 世に言う『ナンパ』だった 仕事の帰り道に、彼の乗った白いクレスタが停まり、声をかけられたのが始まりでした。 彼は見た目マリナーズのイチローにそっくりな、なかなかの好青年でした。 喋りも饒舌で、私は彼に誘われるまま車に乗り込みました。 私達はこの『ナンパ』をきっかけに、付き合うようになりました。 彼・サトシは30歳 私・タツコは34歳、 最初私は自分が彼より年上な事を気にしていたのですが、彼は「歳なんか気にしないよ」と、言ってくれました。 私はこの歳まで独身、仕事はOL、今は親元を離れ一人暮らし。 彼も独身で電気関係の仕事をしていると聞かされていました。 彼は「会社の寮に入っているから、電話は呼び出しなんだ…面倒だからこちらから電話するよ」 と、連絡先を教えてはくれなかったのです。 それでも彼はマメに私の部屋を訪ねて来るので、不安な気持は少しも抱いてはいませんでした。
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