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「おーっす」
「お、また同じクラスじゃん!」
「北川!」
「なんだよ、西田と同じクラスかよ~」
今日から高校2年生という歴史が幕をあける。
紹介が遅れたが、僕の名前は水野篤史。県立柏山高校、今日から2年生。
部活は硬式野球部。残念ながらレギュラーではないが、レギュラー目指し日々精進している。
「おーい、席につけ」
げっ、担任は嵐山先生かよ。
嵐山先生は熱血体育教師だ。
熊のような大きな体のわりに身動きはなかなか俊敏で、いつも白いジャージを来て、このデジタル時代に竹刀をもっているアナログな先生だ。
僕らは陰で『柏山の白い彗星』と呼んでいる。
嵐山先生はどちらかと言うと人気があるほうだが、僕は先生のいかにも「体育系です」という空気があまり好きではない。
「おはよう!」
教室中に響きわたる先生の声。
「おはようございます」
「なんだなんだ、お前ら!ちゃんと朝飯食ったのか?もう一回!おはよう!!」
「おはようございます!」
「なんだなんだ、こんなに多くいるのに先生の声に負けてるじゃないか。よーし、明日からは先生より大きな声で挨拶出来なかったら、何回でもやり直すからな~。これは宿題だ!」
「え~!!」
「え~じゃない!そんだけ大きな声がでるじゃないか。明日は先生、もっと大きな声で挨拶するからな!」
「ぶー」
「ぶーじゃない。それじゃHR始めるぞ。今日は初日だから自己紹介やるからな。じゃあ、出席番号1番、相田からだ」
「えっ!俺から!?オイオイオイ、聞~てないよ~」
クラス中に笑いが起こる。
「ほら、バカ言ってないでさっさと始めろ」
「ほ~い。相田聡(あいださとし)です。部活は…」
自己紹介が始まった。
僕は自己紹介が大の苦手だ。何を話せば言いかわからない。
他の人の自己紹介も耳に入らない位、何を話せばいいか考えていた。
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