事の始まり

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「貴方は大手企業石川グループのご子息です。」 「‥‥‥は?」 俺が何故こんな状況にいるかって? それは3ヶ月前の両親の事故だ ※※3ヶ月前※※ 俺は公立の高校に通う普通の高校2年生だった 「おい、石川!ちょっと来い!!」 担任が授業中に慌てて俺を呼んだのはすごく頭に残ってる その後に聞かされた両親の事故の話は正直、覚えてない 両親が死んだことの実感に苦しんだ日々もあったけれど泣くのを堪え四十九日を終えた さぁ、これからをどう生きようかと考えていた矢先の事だった ~♪♪~♪~~~♪~ 突然電話が鳴った 親の仏壇の前でぼーっとしていた俺は現実に呼び戻されたような気分だった 「もしもし?石川ですが?」 「お忙しいところ、申し訳ありません。保険会社の川崎と申します。石川環様でいらっしゃいますか?」 保険? まだあったのか? 「はぁ。」 「今回の事はお悔やみ申し上げます。」 「はぁ。」 「電話をしたのは保険の事についてなのですが‥‥」 「何か?」 「環様は石川勇蔵様をご存知でしょうか?」 「はい。父方の祖父ですね。」 「では、環様の御祖父様が大手企業の石川グループ総支配人という事もご存知でしょうか?」 「石川グループ?総支配人?」 何だそりゃ? 「その様子ではやはりご存知なかったようですね」 「‥‥?」 「落ち着いてお聞きください。環様は大手企業石川グループの総支配人石川勇蔵様のお孫さんであり、次代を継ぐはずであった石川勝様のご子息です。」 「‥‥はい??」 これが今の俺だ
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