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今から八年前、都市レアルタは【グラン・インパクト】により全人口の90%以上が死亡した。
その時、奇跡的に生き残っていた少年が現在のシギンである。
シギンは、名前以外の自分の情報を一切覚えておらず、このまま放っておく訳にもいかず、シェンダム王統国軍が保護した。
そしてそのまま、バースレイの計らいによって、兵士となったのである。
シギンは、八年前に何が起こったのかを成長とともに学んでいった。
そのため、崩落という単語に対して、反応を示すようになったのである。
バースレイ「…ということだから、俺はお前が行くべきだろうと思って呼んできた訳だが…」
シギン(…また兵器を使って、何かやろうとしてる奴がいるってのか…?そんなこと、俺が絶対にさせない…!)
バースレイに言われずとも、シギンの答えは決まっていた。
シギン「…分かりました。その任務、引き受けさせていただきます。」
シギンの何の躊躇いもない承諾に、ローディンはたじろいだ。
ローディン「って、おいぃ!?」
バースレイ「そうか、行ってくれるか。」
バースレイは、その様子を見て満足そうに頷く。
ローディン「ちょっ、お前マジ?」
ローディンの様子に、バースレイは首を傾げてこう言った。
バースレイ「何を言う?お前は特務師団長だろう。こういう任務を果たすのが、お前の役目だろうが。」
ローディン「そうじゃなくて、俺が聞きたいのは、何で二週間以内に行かなきゃいけないんだ!?」
ローディンは、思わずバースレイが座る机を叩きつけた。
ローディン「ここからアークリッド帝国までどれくらいかかると思ってるんだよ、兄貴!!」
ローディンは、至極当然の質問をすると、一呼吸ついて、元いた場所へと戻った。
しかし、バースレイはそれに動じる事なく、満面の笑みを浮かべてこう言い返した。
バースレイ「あぁ、それは…大人の事情と都合、って奴だ。いいから、さっさと行ってこい。」
ローディン「…納得いかねえぇ!!」
ローディンの悲痛な叫びが、基地内をこだまするのであった…
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