第一章 始まりは風とともに

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…というわけで、色々とバースレイに言いくるめられ、現在に至るという訳である。 バースレイ『調査班の報告によると通常のルートから外れたカルディ砂漠を通れば、大幅な時間短縮が可能なはずだ。』 シギンとローディンは、その言葉を信じて、灼熱の太陽が照り付ける砂漠のど真ん中を歩いていた。だが… ローディン「もう歩いて三日になるけど、全然進んでいないんじゃないか~?」 シギン「確かに…町が全然見えてこないな…。」 二人の視界に広がるのは、砂とサボテンだけだった。 ローディン「というか、何でこんな無茶な依頼受けた?いつものお前らしくないぞ?」 ローディンの言葉に、シギンは少しうつ向いてこう言った。 シギン「……すまない。」 ローディン「いや、謝るなよ。」 二人「…………。」 このような感じで二人の間に、暫しの沈黙が流れる。 しかし、その静寂は突如にして破られることになる。 (ズズズズズ…) シギン「…?」 最初に異変に気付いたのは、シギンであった。 ローディン「どうした?」 シギン「何か…揺れてないか?」 シギンがこう呟いた瞬間、地面が大きく振動し、二人の目の前に巨大なヘビが現れた。 「キシャアアアアア!!」 ローディン「うおおおぉ!?」 シギン「こいつは…まさか、サンドワーム?」 ローディン「ハァ?サンドワーム!?おいおい、それにしちゃでかすぎだろ!?」 サンドワームとは、砂漠などに多く生息する、陸上生活を営む生物である。 一般的にサンドワームの体長は3~5m程度なのだが、二人の前に現れたサンドワームは、ゆうに10mを越えていた。 ローディン「…なぁ、シギン?俺達何かしたっけ?縄張り荒らしたとか。」 ローディンが質問するが、シギンは首を横に振って言った。 シギン「全く身に覚えが無いな。…ただ、サンドワームは人を食べる習性があったような…。」 二人「…………。」 サンドワームは腹を空かせた様子で、二人の姿を確認すると、雄叫びをあげた。 「キシャアアアァァ!!」 サンドワームが突っ込んで来ると、二人は臨戦体制に入る。 ローディン「くそ、シギンやるぞ!遅れんなよ!」 シギン「あぁ!!」 ローディンは大剣を、シギンは長剣を構え、サンドワームに飛びかかって行った。
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