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…というわけで、色々とバースレイに言いくるめられ、現在に至るという訳である。
バースレイ『調査班の報告によると通常のルートから外れたカルディ砂漠を通れば、大幅な時間短縮が可能なはずだ。』
シギンとローディンは、その言葉を信じて、灼熱の太陽が照り付ける砂漠のど真ん中を歩いていた。だが…
ローディン「もう歩いて三日になるけど、全然進んでいないんじゃないか~?」
シギン「確かに…町が全然見えてこないな…。」
二人の視界に広がるのは、砂とサボテンだけだった。
ローディン「というか、何でこんな無茶な依頼受けた?いつものお前らしくないぞ?」
ローディンの言葉に、シギンは少しうつ向いてこう言った。
シギン「……すまない。」
ローディン「いや、謝るなよ。」
二人「…………。」
このような感じで二人の間に、暫しの沈黙が流れる。
しかし、その静寂は突如にして破られることになる。
(ズズズズズ…)
シギン「…?」
最初に異変に気付いたのは、シギンであった。
ローディン「どうした?」
シギン「何か…揺れてないか?」
シギンがこう呟いた瞬間、地面が大きく振動し、二人の目の前に巨大なヘビが現れた。
「キシャアアアアア!!」
ローディン「うおおおぉ!?」
シギン「こいつは…まさか、サンドワーム?」
ローディン「ハァ?サンドワーム!?おいおい、それにしちゃでかすぎだろ!?」
サンドワームとは、砂漠などに多く生息する、陸上生活を営む生物である。
一般的にサンドワームの体長は3~5m程度なのだが、二人の前に現れたサンドワームは、ゆうに10mを越えていた。
ローディン「…なぁ、シギン?俺達何かしたっけ?縄張り荒らしたとか。」
ローディンが質問するが、シギンは首を横に振って言った。
シギン「全く身に覚えが無いな。…ただ、サンドワームは人を食べる習性があったような…。」
二人「…………。」
サンドワームは腹を空かせた様子で、二人の姿を確認すると、雄叫びをあげた。
「キシャアアアァァ!!」
サンドワームが突っ込んで来ると、二人は臨戦体制に入る。
ローディン「くそ、シギンやるぞ!遅れんなよ!」
シギン「あぁ!!」
ローディンは大剣を、シギンは長剣を構え、サンドワームに飛びかかって行った。
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