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-シェンダム王統国軍稽古場-
ここは、シェンダム王統国軍の兵士達が己の腕を磨くために訓練をするための場所である。
この場所で、金髪の青年が一心不乱に剣を振り続けていた。
?「セイッ!ヤァ!ハァァ!!」
この青年を、後ろから見ていた同い年くらいの青年が金髪の青年に話しかける。
?「…また一人で剣の稽古か?…毎日よくやるな、シギン?」
シギンと呼ばれた青年は剣を振るのを止め、後ろを振り返る。
そこには、身の丈程の大剣を背中に抱えた、茶髪の青年が壁にもたれて立っていた。
シギン「どうしたローディン、何か用でもあるのか?」
ローディンと呼ばれた青年は、やれやれと言った感じで話を続けた。
ローディン「連れねえなぁ…。兄貴がお前を呼んで来いだとさ。何でも急ぎの用事だと。」
シギン「バースレイ将軍が?分かった、すぐに準備する。」
シギンは、長剣を鞘に収める。
手早く準備を済ませ、二人が外に出ると、太陽の光と共に、心地よい一陣の風が吹いた。
ローディン「…いい風だな。」
シギン「…そうだな。」
この時、二人はまだ何も感じてはいなかった。
すでに運命の歯車は動き出していたということを…
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