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「……まぁ、俺ら一騎士には関係ない事だろ」
「そだな……うーん今日は訓練も無いことだし、酒でも飲みに行くか?」
「お!いいね!」
体を伸ばしながら言うライゴに、ダイガは一も二もなく頷いた。毎日おこなわれる訓練は武道大会のおかげでなくなった。断る理由はどこにもないのだ。
「二位だって賞金は、貰えるからな。今日は奢りだ」
ニヤリと笑いながら賞金が入った袋を見せる。チャリンといい音がした。
「言われなくてもお前にたかるよ、ライゴ……つーかなんでお前あまり悔しそうじゃないんだ?」
「あ?」
「いつもだったら、もっとぐちぐち悔しそうにするだろう?」
「ああ、それはな……空の青さに久々に気づかされたからだ!」
「はっ!なんだ?そりゃ?」
「分かんねーならいいよ。ほら、いくぞ!」
ライゴは立ち上がりさっさと歩き出した。どこか腑に落ちない様子でダイガは後について行く。
ライゴが立ち止まりふっと見上げた空は、試合の時と同じく、青く澄み渡っていた。
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