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春海はエンバーミングの資格を身につけるべくアメリカへ渡り技術を学んできたが
近年、日本でもエンバーミングの認識が高まってきたために
エンバーミングを学べる学校が出来たとの話を聞き春には
その学校の門を潜る事になったのは歴然とわかった事。
数ヶ月間のアメリカへの研修もこなした。
言葉の壁は思っていた以上に高く
一般的な医療や技術だけとは異なり
整形やメイクに関してもより深く学べた。
遺体の年齢によってもシミや弛み方やホクロもメイクによって施したり
損傷の激しいものによっては骨組みからの修復も必要になるので
細やかな技術を要した。
献体への
遺体への尊厳を守る授業の中でも
衣服の着せ方も学んだ。
遺体へ着せる衣服は身ごろで切り背中で縫い合わせて着せる事になる。
勿論髪のセットの仕方も学んだ。
遺体の扱いとは慎重なもので
敬意を払いながら実習の申し出がある事に繰り返し率先して参加した。
『死体じゃない...人間だ...』
教官の
その教えには場を踏んでこそ遺体と対話出来ると知ったから。
春海に貰ってきた額縁にlicenseを埋める為には
立ち止まってては申し訳がたたないからな...
そうして手にした一枚のlicense。
そうして現在、俺はエンバーマーとして春海のいる病院で過ごしている。
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