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ずっと一緒だよ。
私達は2人で1つ...。
私達は2人で1つだけど
忘れないで...
私達は1人1人の個性も持ってる。
私達を見分けられるのは私達だけ...。
欒『ふぁ...』
あくびをしながらブラブラ散歩をして公園のベンチに座り煙草に火を着けてフゥーッと空に吐く。
土曜の昼間は良く晴れて午後には浮き足立ったように行き交う人々がチラホラと見える。
仕事が入らないのはいい事なんだろうけど.....。
莉砂『紀砂~。おいてくよぅ~』
紀砂『待ってよ~、莉砂ぁ』
公園沿いを双子の姉妹が走って行く。
紀砂『キャッ...』
その声を聞いて欒は目をやった。
莉砂『もぅ、ドジなんだからぁ』
後ろで転んで荷物を散らかしている紀砂に仕方なく手を差し伸べて
散らかしてしまった書類...楽譜を2人で拾っていた。
その時、ぼぅっと目をやる欒に気付き2人共、恥ずかし気にその場を去った。
紀砂『今の人...素敵だったね』
莉砂『うん、ハーフみたいだった。カッコ良かったね』
2人で顔を見合わせて笑った。
同じ人を好きになってしまう事はあった。
けど、私達は2人。
好きな男の子は1人。
半分には出来ないし、同じ顔、同じ声、同じ体の私達、どちらかを選ばれるのも悲しいから、同じ人を好きになった場合、諦めるのをルールにしている。
それに私達を見分けられないなら尚更駄目。
私達は一緒だけど
それぞれ違う魂を持ってるから理解してくれなくちゃ。
双子はせわしなく走り公園近くのピアノ教室へと走り込んだ。
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