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フーッと煙を吐くと小さな渦が空に溶かされた。
そして木々の間を飛んで行く飛行機を眺めた。
今日、春海が日本を発つ。
空港へは明日菜が見送りに行くと聞いたから、恋人達の時間を過ごさせてやろうと見送りには行かなかった。
そう...恋人達。
いつの間にか春海と明日菜は付き合っていたのだ。
今回、春海は仕事で海を渡る。
場所は...えーと...。
......遠くだよ。
まだ戦争の絶えない世界で戦死する兵をエンバーミングし故郷へ返す為、海外へ渡る事になった。
まぁ、春には戻るだろう。
....ハックシュッ。
ズルッ...。
身震いをしながら鼻を啜る。
寒くなって来た...。
帰ろう...。
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