EMBALMING...14

5/9
前へ
/53ページ
次へ
朝、日が差し込み目覚ましが鳴る。 慌ただしく目を覚ます莉砂と やっぱり1テンポ遅れて目を覚まし、 『ちゃんと起こしてよぅっ』 っと駄々をこねる紀砂。 今日は学校が終わったらピアノのレッスンに行って、 早めに帰って久々に家族揃って夕飯を取る予定。 莉砂・紀砂『行って来まーす!』 と声を重ねて通学路へと走った。 その日も何事もなく学校が終わり、2人待ち合わせて今度はピアノ教室へと向かった。 莉砂『紀砂、今日こそは遅れをとらないようにね!』 そんな皮肉を言いながら笑う莉砂に 紀砂『もう...プレッシャーかけないでよぅ』 と紀砂は頼りなさそうに笑った。 演奏を奏で、ミスの箇所を楽譜に書き込み、印を付けた部分を気をつけながら少しずつミスを減らしていった。 午後7時になり帰り支度をしながら 莉砂『今日はミスの回数少なかったね!やっぱ、やれば出来るんじゃんっ』 紀砂『本当に?良かったぁ、これでミスが無かったら最高なのになぁ』 そう話していたら先生が近づいて来て、来月、コンクールがあるんだけど 一般的なアマチュアコンクールだし出てみないかと誘われ、 2人はせっかくだし、実力を試す為にも申し出にサインをした。 莉砂『来月...人前で演奏出来るんだぁ』 紀砂『後1ヶ月だぁっ、頑張って練習しなきゃ!』 そうこうしてる内に7時をだいぶ過ぎてしまっていた。 莉砂『ヤバいっ!早く帰んなきゃっ』 扉を飛び出した莉砂を追って紀砂も『待って莉砂っ』 っと教室を出た。 公園近くの信号で足止めをされ 渋滞でなかなか反対側へと渡れないでいると 手前の車線は車が動かないで渋滞し 反対側の車線は空いていたので せっかちな莉砂が道を飛び出してしまった。 紀砂『莉砂っっ危ないっっ!!』 呼びかけた紀砂に応え振り向いた時には遅く、莉砂は反対側から来た車にもの凄い勢いで跳ねられてしまった。 紀砂は目の前で中を跳ねる自分と同じ姿をした莉砂を見た。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加