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そして―
ピアノコンサートの日、紀砂は一人で舞台に立った。
桜色のフリルが沢山のワンピースを来てお辞儀をするとピアノの前にちょこんと座ると鍵盤に指を置き指は音は水草を渡る波紋のように広まり静かに演奏を始めた。
観客はひそひそとどよめいた。
紀砂は莉砂のパートの曲を思い出し追いかけながら
自分のパートを奏でていた。
2人で1つの魂の連弾を...
紀砂は微笑んだまま続けた。
天国にいる莉砂と2人。
変わらない約束と魂で繋がっているから、決して1人になる事はないんだよ。
莉砂...私はここで
莉砂はそこで
演奏が終わり挨拶をしお辞儀をすると
『ずっと一緒だよ』
そうハッキリ聞こえた。
ハッと隣を見ると私と色違いの黄緑色の駒鳥が一緒にお辞儀をして微笑んでいた。
『私は此処にいるよ』
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