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いつもは日光だけで明るい真っ白な部屋が
今日は陰り、照らした照明は乱反射し
不自然な白を作り出した。
午前11:30
待機していた俺の仕事場に春海が運ばれてきた。
っ!?
運ばれてきたのは
黒い袋.......
台に移された大きな袋...
まさか.....
恐る恐るファスナーに手をかけ
ゆっくり下ろした。
愕然とした。
係員に
『彼以外のエンバーマーは不在だったのですか...?』
係員は申し訳なさそうに
『...はい、通常ならこのまま、すぐに火葬するのですが...一応此処に寄るようにと上の者に言われまして...火葬にしますか?』
欒『いや...いい。』
もう下がってくれ。
部屋には誰も通さないでくれ。
特に明日菜には...
(見せられるワケがねーよ...)
運ばれてた春海の遺体は...TD-4。
エンバーミング不可能だという事だ...。
係員は『宜しくお願いします。』
と会釈をし部屋を出た。
欒『おかえり...春海...』
大きな黒袋は静かに鎮座し触れても物言わぬ献体をそっと抱いた。
そしてファスナーを下まで下げ袋を外した。
春海の躯は、左側の大体が無くなっていた。
右足は切断され骨が突き出し
焦げていた。
左足は骨折と一部破損
右、肋骨は剥き出して
切断された右腕と足は別の袋に入れられていた。
全身の30%は焦げていた。
顔も.....
あの笑顔の面影すらなく...
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