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いつか問われたっけな...
愛する人をエンバーミング出来るか...と
今、ちゃんと答えを出すから...
見てろよ?春海...
まずは、切断された手足のエンバーミングを始める。
乾いた手足に血の気は無かったが念入りに血を抜きエンバーミング液を流し血管を塞いでマッサージし、次は洗髪。
そして全身...欠けた部分には整形技術を施し骨格を作り特殊樹脂で皮膚を作り補いながら左右対象に型取り色を乗せる。
焼き焦げた皮膚も切除し樹脂て型を作り貼り付けていった。
縫合し色を付け傷跡を隠す
顔は特に丁寧に...
唇は...特別に筋肉を少しつり上げて
髪を綺麗にセットし
服を着せた。
何時間もかけ丁寧に丁寧に...
そして全てが完了した。
『おかえり...春海...おかえり......春海.....春海.........』
涙が流れていた。
ぐしゃぐしゃな泣き方で泣いた。
今だけ...2人きりにしてくれ...今だけ...
どこかのふざけた漫画みたいにこの涙で生き返ればいいのに...
嘘だったらどんなに.....
希望は目の前の現実に突き崩され
容赦なくこの目に突き刺さった。
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