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教室に入って席についた。
『おはよー林檎』
『おはよう』
『ね、林檎のお父さん見ちゃったあーいつもあの時間なの?』
『え?いや、今日は会議だから早く行った気がする』
『いっつもあの時間ならいいのに。』
『あんな奴見ても目が腐る』
友達の友里は目を丸くした。
『なわけないじゃない!毎日見てる林檎が羨ましいし』
ほぼ毎日、何かと誰からかお父さんの話は出る。
『林檎!ちょっと見て』
窓を眺めながらあたしに必死に手招きする友里。あたしは眉間に皺を寄せて、窓から下見た。
『あっ……』
そこにいたのは、一希さんだった。
『朝から見れてラッキーじゃん』
『う、うん』
ぎこちない返事を返した。いつ見ても、一希さんはかっこいいと、あたしは思う。三年生が引退してからキャプテンだし、いつも笑顔で優しいし。
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