愛しい人

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 寝ちゃった……。  疲れてるのかな? 私より先に寝ちゃうなんて珍しいね。  アナログ時計の足音だけが聞こえる、小さな部屋。  六畳一間のアパートが、私たち二人の大きな世界。  一つの布団で寝れば、となりにすぐ可愛い寝顔……。  私はこの狭さが好き。アナタをいつも近くに感じられるから。  アナタの静かな寝息が、私を安心させてくれるの。  アナタがそばにいることが、何よりの子守唄。  私たちが出会って、一緒に寝るようになって、もう一年くらいかな。色々あったからかな、本当に早かったね。  アナタを泣かせたこともあったし、私が泣いたこともあったね。私が泣くことの方が、多かったかな……。  でも、私が泣くと、アナタは笑ってたね。何がそんなに嬉しいのか、アナタは私が泣くと、天使のように笑うの……。  人の気も知らないで……。  私だってね、泣くことくらいあるんだから!  私が泣いたら、ちゃんと抱きしめてね……。  優しく、優しく抱きしめてね。  でも、私も少しは成長したかな? どうかな?  アナタとずっと一緒にいなくても、少しは平気になったよ。
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