第三章

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  「あ!馬鹿キティ……」  ドードーや鳥達が止める間もなくキティはケーキを食べた。手を払いながら口をもぐもぐさせていたが、急いで食べたせいで蒸せてた。 「アリス!ケーキはまだあるから、こっちの皿を」  鳥よりも、ケーキを食べたキティを見ていた。ふらついている。そして片膝を付いてしまった。 「キティ!どうした!?」  あたしが傍に行く間に肩から倒れてしまう。こうなった理屈は分かる、ケーキのせいだ。 「死んで当然だ!」 「あ?」  偉そうにドードーが言った。死んで当然?こいつら、ケーキになに入れたんだ。 「キティに、なにをした」 「そいつが勝手に食っただけだ。ケーキにかけたシロップにはイチイの果実が入ってた。毒だ!どうだ、参ったか!!」  ワシの子が威張るのを合図に、周りもキティを罵倒しだす。 「それを、あたしに、食わせようとしたんだな?」  キティを揺すっても起きない。 「首と隊員が欲しいからな!ね、隊長?」 「まあねっ!」  カササギとドードーのやりとりを冷静に見ていた。ここになぎなたがあったら、やつらの喉を突いていただろう。 「キティ、死ぬなよ……」  死んで当然と言われた毒。この近くに病院は?あったとしても連絡手段がない。絶望的だ。 「キティ」 「はいはい」  死にそうなはずの彼から、普通に返事が返ってきた。
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