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「あんたのせいだ。クッキーを食べたから小さくなった」
「クッキーで?冗談は止せやい」
「冗談じゃないから、俺はこんなに小さくなってるんだぞ」
「あっそ、ごめんね。それで何味だった?」
「……チェリー・タルトとカスタードとパイナップルと、ロースト・ターキーとタフィーと焼きたてのバター・トーストをいっしょくたにしたような味」
長すぎて聞き取れない。日本人だから、タフィーが分からない。パイナップルとバタートーストとか、食べ合わせ悪そう。
「小さくなる成分を知っていた上で、食べさせようとしたのか」
「そうだ」
捕まえてきつく手で握れば潰れてしまいそうな大きさのキティ。状況を理解していないのか、口のきき方を気を付けない。
「その結果がこれだ、ざまあみろだぜ。さ、早く出口に案内しろ。でないと、踏み潰すぞ」
「そうか。で、小さくなってもらおうと思ったのには、それなりの理由がある」
勝手に話が進む。冗談だと思われている。
「回りくどい説明はいいから、本気だからな、本気で潰すぞ」
「はいはい、あそこにドアがあるだろ?あれを通ってもらいたかったんだよ」
キティは2つあるドアのうち、小さな方を言っているのだ。そうね、小さくなれば通れるわねって、悪夢!どこからが夢だ?ウサギを追い掛け始めてから、すっかりあたしの世界観がぶち壊しだ。
服着たウサギ、変な地下、小さくなるクッキーに、目の前の馬鹿。普通の鎌倉観光じゃあ、見れないぞ。
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