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「大きいドアじゃだめなの?」
「鍵がかかっているからな。俺が反対側に行ってドアを開けるか、あんたもクッキーを食べるかだ。中々、美味いよ」
「小さくなるのは嫌」
危険な物は食べない。
知らない土地で食べたものは体調を壊す元になる。ましてや、体が小さくなるなんて、問題外だ。
「すぐ開けるから、勝手に動くなよ」
彼がドアノブまで届くのか疑問だが、頑張って開けてくれるらしい。健気なことだ、さっさと開けて欲しい。
やっと出られる。早く日の光がみたい。
キティがドアの奥に消えていく。あたしが中を見ようとすると、向こう側からさっとドアを閉められた。行儀がいいことで。
大きいドアに耳をそばだてて、あっち側の様子を探る。音がする。打ち付けるような音だ。なんだか、聞いたことある。
「まだー?」
軽くノック、返事なし。
コンコン。
コンコン。
コンコンコンコンコン。
ココココココココココ――ゴンッ!
連続でノック、いや、ドアを殴っていたらあちら側からも殴る音がした。いい加減にしろコールだろう。気に食わない彼をイラつかせるためにやっているから、大成功だ。
それからしばらくしてノックが返ってきた。で、このドアは押しドア。間違えないぞ。
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