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それから。
「これってちゃんと進んでる?」
ずいぶん経った気がするが、景色が変わる気配が、ない。海だ、浜だ。
「当たり前」
キティは頼りにならないし、先がとても苦しくなってきた。
「お腹空いたなぁ」
さっきから歩きっぱなしで休んでないから、余計にランチタイムが恋しい。
「だからクッキーを食べておけばよかったんだよ」
「嫌だ。貝やら魚を焼いて食べたい」
江ノ島でやたらに見たんだ。いか焼きとか、しらす丼とか、美味しそうだった。
「もー、疲れた!」
あたしはその場に座り込む。動きたくない。足が砂にとられて歩きにくいんだよ、海のバカヤロー。
「アリス」
「おかけになった電話番号は、現在、使われておりません」
「変な対応で返すな」
「あたしはもう人として機能していないんだよ、現在、使われておりませんなんだよ。このままここでくたばりそうな勢いだ、あー、死ぬ死ぬ」
腹が減りすぎて話すのも嫌になってきた。
「なら、あそこに見えるのものが食べ物だったら、俺だけで食べるから」
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