~悲劇~

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―次の日。 大樹は学校に来ていない。 教室に先生が入ってきた。 「大樹が…風呂場で手首を切って倒れていたそうだ…」 クラスのみんなが ざわつく。 「幸い命に別状は無く、今病院で手当てを受けている。 仲の良い者は見舞いに行くように」 ―休み時間。 大樹がフッた女の子が友達に心配されて泣きじゃくっていた。 「どうして…っ! どうして大樹君が…っ!!」 「落ち着いて。命に別状は無かったから良かったじゃない」 「だけど…っ!!」 「今日お見舞い行こう?」 僕も今日お見舞いに行くつもりだ。 だけどこの子がお見舞いに来たら大樹は嫌がるだろうな…。 大樹の病室に入った。 「キャッ!」 今日泣いてた女の子が 大樹に本を投げつけられていた。 「大丈夫!?」 女の子に聞いた。 すると無言でうなづいた。 「大樹!なんで本投げてんの!? 危ないじゃん!」 「うるせーよ!! お前もそいつ連れてでてけ!」 「…わかったよ」 大樹があんな感情的になった所… 初めて見た… 「どうして大樹君は彼女を作ろうとしないの…?」 女の子が僕に聞いた。 「大樹に彼女がいた事は知ってるよね…?かな って子。大樹はかなの事が頭から離れないらしいんだ…」 「だから…自殺をしようとしたの?」 「たぶん…」 さっきから看護婦達があわただしく走っている。 「どうしたんですか?」 「○○○号室の患者さんが…!」 大樹の部屋だった。 「大樹が!?」 僕が病室に着くと 大樹は心臓マッサージをされていた。 しかし心電図は「ピーッ」という音を出してばかり。 「大樹!起きろ! 大樹までいなくなったら…僕は…!!」 しかし大樹は目を覚まさない。 「ご臨終です…」 「イヤだ…っ!嘘だぁっ!!」 しばらくして大樹の顔を 霊安室に見に行った。 とても綺麗な顔で 男とは思えない。 「大樹…。天国でもかなと仲良くね…」 後から聞いた話によると、病室から遺書が見つかり、 点滴の針で手首を切っていたらしい。 大樹…かな… 僕は君たちの事… 忘れないからね… fin
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